第6条「安全な速力」 法令速度はない!自分で決めろ!【海上衝突予防法】

スポンサー
 
フォローお願いします!
ブル
ブル

こんにちは!ブルです!

 

今日は

海上衝突予防法

第2章「航法」

第1節「あらゆる視界の状態における船舶の航法」にある

第6条「安全な速力」について勉強していきます。

 

海上衝突予防法
第1章 「総則」(第1~3条)

第2章 「航法」

・第1節 あらゆる視界の状態における船舶の航法(第4~10条)←ここ!

・第2節 互いに他の船舶の視野の内にある船舶の航法(第11~18条)

・第3節 視界制限状態における船舶の航法(第19条)

第3章 「灯火及び形象物」(第20条~31条)

第4章 「音響信号及び発光信号」(第32~37条)

第5章 「補足」(第38~42条)

 

 

それでははりきっていきましょう!

 

安全な速力を理解するために

第6条 安全な速力 
船舶は、他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとること又はその時の状況に適した距離で停止することができるように、常時安全な速力で航行しなければならない。この場合において、その速力の決定に当たっては、特に次に掲げる事項(レーダーを使用していない船舶にあっては、第1号から第6号までに掲げる事項)を考慮しなければならない。
1視界の状態
2船舶交通のふくそうの状況
3自船の停止位置、旋回性能その他操縦性能
4夜間における陸岸の灯火、自船の灯火の反射等による灯火の存在
5風、海面及び海潮流の状態並びに航路障害物に接近した状態
6自船の喫水と水深の関係
7自船のレーダーの特性、性能及び探知能力の限界
8使用しているレーダーレンジによる制約
9海象、気象その他干渉原因がレーダーによる探知に与える影響
10適切なレーダーレンジでレーダーを使用する場合においても小型船舶及び氷塊その他  漂流物を探知することができないときがあること。
11レーダーにより探知した船舶数、位置及び動向
12自船と付近にある船舶その他物件との距離をレーダーで測定することにより視界の状態を正確に把握することができる場合があること。

 

ブル
ブル

ん~長い!!!

 

長ったらしくて、このままでは噛み砕くのが難しいですね。

第6条を理解するためには大きく2つに分けましょう!

分解することでわかりやすくなると思います。

 

ではどう分けるのか。こうです。

 

① 安全な速力ってどんな速力?

② 安全な速力ってどうやって決めるの?

 

第6条で知るべきことは、この2つです。

1つずつ解説していきます。

 

①安全な速力ってどんな速力?

試験官
試験官

安全な速力というのはどんな速力ですか?

何級の口述試験でも聞かれる鉄板基本問題です。

 

 

 

一般男性A
一般男性A

20ノット以下です!いや、12ノットくらいです!

彼は5割落ちます、マネしないでください。

 

第6条の前半部分にこの問いの答えがあります。

 

第6条 安全な速力

船舶は、他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとること又はその時の状況に適した距離で停止することができるように、常時安全な速力で航行しなければならない。(以下略)

 

安全な速力とはどんな速力かというと。

・他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとることができる

・その時の状況に適した距離で停止することができる

そんな速力です。

 

具体的な数字で決まってるわけではありません!

もし、口述試験で聞かれたら、このまま答えてください。

これ以上も以下もないのです。

 

航海を取り巻く状況は刻一刻と変化していきます。

その時その時の状況に適した対応をしなければいけません。

 

また、「常時安全な速力で航行しなければならない」です。

常時!です。航行中はずーっと常にです。

 

②安全な速力ってどうやって決めるの?

試験官
試験官

では、その安全な速力はどうやって決まるのですか?

この問いも鉄板です。

 

一般男性A
一般男性A

外海か沿岸か!特に瀬戸内海は遅くすべきです!

もう10割彼は落ちます。気を付けましょう。

 

第6条の後半部分にこの問いの答えがあります。

 

第6条 (前略)この場合において、その速力の決定に当たっては、特に次に掲げる事項(レーダーを使用していない船舶にあっては、第1号から第6号までに掲げる事項)を考慮しなければならない。

 

直訳すると、

速力の決定するときは〇〇を考慮してね~
(レーダー持ってなかったら1~6だけでいいよ)
です。
親切にちゃんと条文に書いてあるんですね!

 

ここでひとつポイントが!

「速力決定には〇〇を考慮してね~」言ってますが、

〇〇ならゆっくり走れよ?というニュアンスを感じてください。

〇〇だからスピードを上げろ、落とすな!というわけないですよね。

そもそも衝突を避けるための法律です。

ゆっくり行きなさいね?
という気持ちを汲み取りながら読んでいってください。

 

ということでその〇〇の部分を解説していきます。

 

スポンサー

1.視界の状態

船乗ってたらよくわかると思いますけど、これを一番気にします。

船速決定の最重要要素じゃないでしょうか。

視界が悪かったらそれだけ他船を発見するのが遅れます。

そのことを考慮して速力を決定しましょう。

 

2.船舶交通のふくそうの状況

周りに船がたくさんいたらそりゃ危険度UPします。

東京湾や大阪湾、漁船が密集海域などの交通量の盛んな状況では、速力決定を慎重に行うべきです。

 

3.自船の停止位置、旋回性能その他操縦性能

船の性能も考慮しましょう。

船は車と違ってすぐに止まることはできません。

止まるぞ!と思って行動してから実際に止まるまでには時間がかかります。

その時間も距離(止まるまでに進む)も船によってバラバラ。

旋回性能も小回りが利く、利かないがあります。

4.夜間における陸岸の灯火、自船の灯火の反射等による灯火の存在

陸に近づいていくとすっごい眩しいんですよね。

海って真っ暗ですから。

どれが街明かりでどれが船かどれが航路標識か瞬時に判断するのは慣れていても難しいです。

その判断の遅れたぶんが他の船に近づくことになります。

自船の反射も同じでに、見るべき灯火と混同してしまうおそれがあります。

船速決定に影響がある理由がわかるでしょう。

 

5.風、海面及び海潮流の状態並びに航路障害物に接近した状態

風に押されてたり、潮に運ばれていたら、止まるぞ!となってから止まるまでどんどん前に進むかもしれない。

海面が大きくうねっていたら、谷部に小型船が隠れてしまい、発見が遅れるかもしれない。

航路障害物に接近した状態では、自分の進路が限定されるため、選択肢が狭まるかもしれない。

かもしれない運転です。

 

6.自船の喫水と水深の関係

航海中、喫水と水深について常に気にされているべきです。

どこまでが可航水域なのか、自船の持つフィールドが狭ければ狭いほど、速力についてよく考える必要がありそうです。

また、浅水影響、側壁影響、2船間の相互作用といった現象も考慮しなくてはいけません。

ブル
ブル

(また、後日説明します)

 

 

ここからは「レーダーを使ってる船がさらに考慮するべきこと6選」です。

この記事を見る人がレーダーを使わない船に乗るとは思えない。

つまり全員がこの6つも考慮したうえで、船速を決定しないとダメです。

 

7.自船のレーダーの特性、性能及び探知能力の限界

自船のレーダーの特性=レーダーアンテナの高さ、パルス幅周波数などのスペック、SバンドかXバンドか・船体構造物による不感帯のある方位がないか、偽像の出やすさなど

性能=方位分解能、距離分解能、方位の精度、距離の精度

探知能力の限界=最大探知能力、最小探知能力

こういったレーダーの機械的な要素を考慮しなければいけません。

 

8.使用しているレーダーレンジによる制約

使用するレーダーレンジによって制約があります。

長距離レンジを使ったら、近くの物標の表示が難しく

近距離レンジを使ったら、遠くの探知は表示されません。

どのレンジを使用するかによって船速も考慮されるべきです。

実際の現場では、レンジを頻繁に切り替えて監視したり、2台装備している場合は使い分けたりしていることが多いです。

 

9.海象、気象その他干渉原因がレーダーによる探知に与える影響

大雨が降ってたり、船の近くで波がしぶいていたりすると,

レーダー反射波を邪魔して、きれいに探知できないことがあります。

これはよくあることですので気を付けましょう。

猛吹雪で視界が悪く、レーダーに頼るしかない状況でしっかりと探知できない。

ということになります。

ブル
ブル

(解決の方法は後日)

 

10.適切なレーダーレンジでレーダーを使用する場合においても小型船舶及び氷塊その他漂流物を探知することができないときがあること

気象海象もレンジも何事も問題なく、順風満帆!

そんなときでも反射波の弱いもの、小さいものは探知できない場合があります。

順調な時でも、そのことも考えて速力を決定します。

 

 

11.レーダーにより探知した船舶数、位置及び動向

探知した船の数は多いのか1隻だけなのか、

位置は近づいてきてるのか、

追い越してきそうな動向なのか、などなど。

探知した船の監視し、船速変更の可能性を考える。

たくさんの船が本船の方に向かってきているのに、わざわざ加速する必要もないですからね。

 

12.自船と付近にある船舶その他物件との距離をレーダーで測定することにより視界の状態を正確に把握することができる場合があること

いま、視程がどれくらいあるのか。

慣れた航海士だとだいたいわかってくるものですが、

正確にわかるかというと難しかったりします。

レーダーで距離を測定して、現在の視程が何マイルあるのか把握しましょう。

 

ブル
ブル

視界の状態が1番重要なのはさっき言ったよね

その方法は、船(物標)が見えた瞬間、見えなくなった瞬間の距離が視程です。

 

まとめ

 

第6条「安全な速力」をまとめていきます。

 

①安全な速力ってどんな速力?

・他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとることができる

・その時の状況に適した距離で停止することができる

そんな速力です。

 

②安全な速力ってどうやって決めるの?

・視界状態・船舶輻輳度・自船の操縦性能・最短停止距離・気象海象・喫水と水深などなど

レーダーを使用する船はさらに

・レーダーの機能、特性・レンジによる制約・干渉影響・低反射物標の存在・探知物件の動向などなど

です。
安全な速力は具体的な数字で何ノットと決まっているわけじゃありません。
これらのことを考慮して、その時々の状況により変化します。
もしあなたが航海当直をとっていて
「ん。視界が悪いし、見合いの悪い船多いな。どうしようかな?

 

さて、どうしますか?

どうしようかな?と迷ったときは速力を落としてください。
それが正解です。
迷ったら安全をチョイスできるのが一流です。
ブル
ブル

上長に小言を言われたとしても、正解です。

 

 

今日はここまで!!

 

 

 

ブル
ブル

こちらは参考図書です。
クリックでAmazonに飛ぶよ。


 

コメント

タイトルとURLをコピーしました